メインレギュラーがいなくなってしまったドラマ
(今回は年上の方を記事にしていますが、本文は敬称略で記載しています)
先月 3月17日に多臓器不全で死去した俳優の渡瀬恒彦が出演していたテレビ朝日系の
刑事ドラマ「警視庁捜査一課9係」。12シーズン目が先週から放送開始。
初回は拡大版、神田川警視総監役の里見浩太朗に新たな任務を命じられるところから
ドラマは始まる。
係長の加納倫太郎(渡瀬恒彦)をもう10年以上演じていたのかと感慨深くドラマを視聴、
不在の2話もドラマを見入ってしまった。普通係長不在になればすぐに代役をあてがう
のだろうが、そこはこの「9係」の中では違和感になる。渡瀬恒彦に代わる存在感ある
俳優なんてなかなかいないだろう。しいていうなら、もう少し若ければ渡哲也。まぁ
渡瀬恒彦の実兄だから、風貌、雰囲気は似ているしね。
この「警視庁捜査一課9係」を視聴して、ダブらせていたのが「太陽にほえろ!」。
放送初期の頃私は小学生でしたが、萩原健一、松田優作の登場に熱狂してましたね。
勝野洋くらいあたりまでは小学校でも話題でしたからね。
「太陽にほえろ!」は足掛け14年半ドラマを連続して放映。主演の石原裕次郎が2回
病に倒れ、番組降板を申し入れ。その頃山村刑事を長く演じた露口茂も殉職して中心
メンバーがいなくなり。実質「太陽にほえろ!」は終了したのだと思っていました。
暫くしてドラマ出演を控えていた渡哲也を代理のボスにして3か月ほど継続したのだが
往年の勢いは取戻せず番組が終了※。放送終了頃私は大学生でほとんど視聴できず、
後年ビデオで主要回(山村刑事殉職回、渡哲也登場回、石原裕次郎出演の最終回など)
をみていました。後年インターネットが普及してから「太陽にほえろ!」の一場面の
写真、出演刑事ごとに作成されたBGMを聞きながら、感激のあまり涙を流したことも
何度あったことか。
※直後に出演者の設定を変えて「太陽にほえろ!PART2」を 3か月放送。「太陽にほえろ!」初期からの
レギュラー下川辰平(野崎刑事/長さん役)復帰でかろうじて「太陽にほえろ!」。初回以外は私は未聴。
でもネットなどでは寺尾聰(喜多収刑事役)の演技が秀逸だったと絶賛されている。
この両ドラマ、対照的なのが出演者が1名だけ残ったケース(石原裕次郎だけ)と出演者
がまったく変わらない(監察医早瀬川役の原沙知絵が途中参加くらい)こと。前クール
放送の「相棒」が3回も水谷豊の相棒を交代させていることからしてもマンネリ感より
9係独特のドラマ感を大事にしているんだなぁと感心している。また演じている役者
(小宮山主任役の羽田美智子、津田寛治、吹越満、田口浩正、浅輪刑事役の井ノ原快彦、
刑事ではないが加納倫太郎の実娘石川倫子役の中越典子)など性格設定も面白くできて
いるよなぁ。「相棒」よりも性格設定が面白く感じるとの意見も多い。だから闘病中で
あってもぜひとも出演されたかったでしょうね。
私が学生の頃はドンパチやっていた刑事ドラマが多く「大都会」「西部警察」なども
トレンドだったし、就職後は軽い感じの「あぶない刑事」人情派の「はぐれ刑事」、
青島刑事の「踊る大捜査線」など。刑事ドラマは趣向をかえてこれからも製作されて
いくんだろうね。
いや、主役が不在になっても名作をつくってくれるスタッフ。天国で渡瀬恒彦さんも
この「警視庁捜査一課9係」を見守っていただいているのだと思います。
この「警視庁捜査一課9係」を愛されていた渡瀬さん、ご冥福をお祈りいたします。