アメコミ映画の方向性
2002年に、それまで苦境続きだったコロムビア映画がマーベル社とタッグを組んで
サム・ライミ監督の元「スパイダー・マン」を公開して爆発的ヒットを記録。
そのあとは、「スパイダー・マン」3部作まで製作、20世紀FOX映画が「X-MEN」
「ファンタスティック・フォー」、ワーナー映画がクリストファー・ノーラン監督で
「バットマン」をリブート、「スパイダー・マン」で成功したマーベル社は、初期は
パラマウント映画、ユニバーサル映画などで「アイアンマン」「マーティー・ソー」
「ハルク」「キャプテン・アメリカ」などを次々リリース。「アベンジャーズ」以降
はディズニー配給でラインナップを揃え「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」や
「アントマン」など次々リリースし、作品数だけで数えれば「スター・ウォーズ」を
凌ぐ勢い。ワーナー映画も「バットマン」では少ないと考えたか「ジャスティス」を
DCコミックとタッグして。1作目「バットマン VS スーパーマン」をリリース。
さて、公開は「バットマン VS スーパーマン」のほうが1カ月程度早かったのだが、
いろいろな都合で劇場に見に行けたのが 4/30(土)、方や「シビル・ウォー」の方が
5/1(日)の鑑賞になってしまった。
両作品に共通するのが、「正義で行った行為が人命に脅威を与えるのは悪であるか?」
という偶然だが同じような問題提議が発端になり「バットマン VS スーパーマン」では
レックス・ルーサーの陰謀で、被告としてスーパーマンが法廷に出頭。(直後のテロで
スーパーマンは犯罪者として無実の罪で民衆に糾弾されるが)
「シビル・ウォー」では、アイアンマンをはじめアベンジャーズの活動すべてについて
国連の監視下におく「ソコヴィア協定」をメンバーに承諾させようとする。この協定に
署名したトニー・スターク/アイアンマンと、この協定の署名に反対したスティーブ・
ロジャース/キャプテン・アメリカとの二派に分かれて内戦状態に陥らせてしまう。
今作の犯人がソコヴィア人の犠牲への復讐、そのソコヴィア人にテロによって殺害
されたブラックパンサーの父親、トニー・スタークの両親を手に掛けた洗脳されて
いたウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズに復讐しよとするアイアンマン。
この中で、ブラックパンサーが真の敵に対して復讐せずに罪を償えと言った言葉が
印象に残った。(復讐の連鎖を断つという意味で、昨今の中央アジア、中東地方の
テロの連鎖のことを思い起こさせた)
両作品とも今までのアメリカ映画のようにハッピーエンドで終わったわけではない。
少し後味は悪いように思えるが、この描き方が最近のアメコミの風潮なのだろう。