気ままな日記

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いつかどこかで観劇したかった「竜二 ~お父さんの遺した映画~」

前回、といっても14~5年前の話ですがこの「竜二 ~お父さんの遺した映画~」を劇団ストレイドッグが舞台化すると当時劇団に所属している俳優からじかにお誘いがありましたが、観劇する時間がとれず断念しました。でもいつかどこかで観劇したかったこの作品、劇団ストレイドッグが再演すると夏頃に告知があり、どうしても時間をつくって観劇したいと思いチケットを入手、今日池袋シアターグリーンにて鑑賞しました。

今回の主人公の金子正次という人物は、愛媛の瀬戸内海にうかぶ島の出身、自ら映画スターを目指し上京。自身の目標とした映画を自分で製作。なおも彼自身主役になりたいとの強い願望をもち、脚本・主演した「竜二」(東映配給)の全国公開直後まで描きました。後世の私たちは結末を知っているわけですが、金子正次は「竜二」公開直後に末期ガンで33年の短い生涯を閉じたのですが。

この「竜二」という作品は映画製作はしたものの配給先は決まっていなく、一度は製作中止直前まで追い込まれましたが、金子の映画製作にかける情熱と、彼と共に行動した親友(劇中にも出て来ましたが当時映画スターだった松田優作もその一人)たちの熱意で映画を完成させ、やがて全国配給まで勝ち取ったシーン。さぞ金子は満足だったでしょう。

この「竜二」公開が  1983年 10月 29日。当時の配給先の劇場では観客がおしはこび、東京の映画館では立ち見まででるような盛況だったそうです。

現代ではこのようにスターを目指すシステムは変貌して、色々な世界からメディアに紹介されてスターになっていくのですが、この時代では歌手、映画スター、残りはTVタレントとしてしか有名になれなかった時代。今回のように主人公が病死との結末になったとはいえ、自己目標を達成した金子正次は幸せな人生を送ったんだといえるでしょう。

 

STRAYDOG Produce「竜二 ~お父さんの遺した映画~」@シアターグリーン BIG TREE THEATER

脚本・演出:森岡利行
原作:生江有二「竜二―映画に賭けた33歳の生涯」(幻冬舎アウトロー文庫)
出演:八神蓮/上杉輝 松島庄汰 高岡保成 伴優香/宮崎京 白石彩妃/野村奈央 山本佳志 美月まりも/酒井健太郎/重松隆志/石川竜太郎 平川慎之介 青山隼 梶野春菜 永島美穂 中村優希 布宮翔